みなさま悲眼院ブログにようこそようこ!
前回同様今回も書いているのはわたくし、どうでもいい話担当の職員です^^
さて今回こそは果てしなく自分の趣味の話でもしようと思うんですが、残暑厳しい昨今、俺たちの夏は終わらねぇ!というわけで、今回のお話は【怪談】。
御存じ悲眼院は明王院というお寺であります。お寺… ということはお墓もニアー(近い)。十数年働いておりますわたくしにも、不思議な体験は当然ありまくる… と思いきや、
意外(?)にも、2回しか不思議な事柄は起きておりません。今回はそのうちの1つのお話。
別に怖くないよ。
泊まり勤務のある夜。22時ごろでしょうか。わたくし施設内の坂を登り、駐車場へと歩いておりますと、右側から何かがすごい速さでわたくしの目の前をタタタターー!と走り去っていきました。街灯でぼんやりでしたが、四足歩行の何か。すぐにそれは、当時施設にいた犬「カンタ」だと思いました。
「カンタ」の犬種は…、ビーグル…なんでしょうか、そんなのをイメージしてください。いつもは事務所の傍の柿の木付近にある柵内にいるんですが、どうやっているのか時々脱走するのです。なので、今回もまた逃げ出したのだろうと思い、わたくしも落ち着いておりました。
わたくしの目の前を横切ったカンタは、そのまま山の中へ。ガサガサと木々が揺れます。わたくしは「カンタ~!帰ろう~!」と、歩いて追いかけることにしました。
ガサガサと木々が揺れることで、カンタが移動している場所がわかります。山奥へ行くわけではなく、駐車場横から行ける広場の周りに沿って、移動しているようでした。
「カンタ~!帰るぞ~。こっちこ~い!」
わたくしゆっくり歩きながら、音の方に呼びかけます。まぁダメ元ですが、散歩もおやつもあげたことありますので、寄ってきてくれれば、首輪をもって柵内まで連れて行こうと思ったわけです。
ガサガサと移動する音。「カンタ~!こっちこーい!」
広場は薄暗く、目の前もぼんやり見える程度の明かり。
わたくしが広場の中央付近に近づいた時、ガサガサ音がピタッと泊まりました。
「カンタ~!一緒にかえるぞ~!」
薄暗く静まり返った夜の広場にこだまするわたくしの声。
…すると、
ガサガサッ!!っと大きく音がしたと思ったその瞬間。カンタは木々の中から飛び出し、広場の周りの坂を勢いよく下り、こちらに向かって来たのです。
すごい^^言葉が通じたのかな。
なんだか嬉しいような不思議な気持が湧いたと思いきや、あまりにもこちらに勢いよく向かって来ていますので、ぶつかってくるんじゃないかと一気に不安になったその瞬間!
カンタはわたくしのすぐ前を速度を落とすことなく走り抜け、遠くへ走り去っていきました。
で、カンタが目の前を通る一瞬にね、確かに聞こえたんですよ。
「ちがうよ」
薄暗い広場の真ん中で、あっけにとられて立ちつくしていたわたくし。
「ちがうよ」とは一体。つまりは、カンタだと思ってずっと話しかけていたけど、実際はカンタではない何かで、わざわざ教えてくれて去っていったという話なんでしょうか。
その日はすぐ就寝。朝早く起きたので、カンタのいるであろう柵へ行きましたところ、犬小屋でいつも通りねそべっているカンタがそこにいました。聞いてまわりましたが、特に昨夜逃げ出したようなことはないとのこと。はたしてわたくしは、一体何を追いかけていたんでしょうか。
といったお話。ご清聴ありがとうございました。んなあほなと思われるでしょうね。ほんとだもん!でも、ちゃんと違うって教えてくれるんだから、良い話しじゃ~ありませんか。
こんな不思議な体験が出来るかもしれない悲眼院へ、みなさんもお越し下さい。